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「子どものしぐさはメッセージ」から学んだ3つのこと

小学校教師時代はもちろん、「世界中の子ども達の笑顔に出会いたい!」と思い始めた学生時代から、様々なしぐさを繰り返す子ども達を見て来ました。

自分の子育てにおいても、そう。

子どもはある程度の時期になると決まって一定期間同じようなしぐさをすることがあります。

その時期になると、その動きがたくさん見られ、そして、自然と消えていき、またある時期は別のしぐさばかり。

それは、人間の発達にも関係があるのはわかっていたけれど、それぞれのしぐさの中に隠されている意味を教えてくれる本に出会いました。

雑誌『クーヨン』にも連載を持っている整体ボディーワーカーの山上亮さんのエッセイ&整体ワークブック

「こころとからだを育てる整体ワークブック 子どものしぐさはメッセージ」山上亮著(クレヨンハウス・1200円+税)

子どものしぐさに意味を与えてくれる山上さんの本を読んで、学んだ3つのことを挙げてみようと思います。

1.からだを丸ごと信頼するということ。

子どもが急に高い熱を出したとき、皆さんならどうしますか?

・熱を下げるために、薬を使う。

・温かくして、すぐに病院に行く。

・氷枕で冷やしてあげる。

・しばらく様子を見る。

様々な意見が聞こえてきそうですね。

野口整体では、熱の出た人に「おめでとう!」と言うそうです。

熱を含め、からだの変動にはそれぞれ意味があって、どれも必要で行われているのだから、しっかりと「やりきらせる」ことが大事と考えるからです。

発熱はからだからの何らかのメッセージかも知れないと捉えると、大人ができることは

・その熱をきっかけにからだが伝えようとしていることに耳を傾けて向き合うこと

・この熱の変動をきっかけに「様々なからだの調整が行われることをサポートする」という姿勢で子どもを見つめること

ではないでしょうか。

子どものしぐさの中にも、この発熱と同じように意味が隠されているとしたら・・・

子どものふとしたしぐさを「注意深く見つめる」=「気をかける」。

これがまさに整体の「愉気(ゆげ)=手当て」となります。

しっかりと見て、必要なところに手を当ててあげることで、身体は本来の力を取り戻していきます。

子どもは、自分のことを見てくれる人がいると安心し、成長していくものです。

子どものからだや成長を丸ごと信じ、見守りながら、たくさん触れて、一緒に動きながらたくさんの学びを共有していきたいと感じました。

2.感情の急所のお手当で、ショックを和らげてあげることができる!

赤ちゃんのウンチを観察していると、たまに緑色の便をすることがあります。

出て時間がたったウンチはだんだん緑色に変色していきますが、出たばかりなのに緑色だったら要注意!

何か驚いたり、ショックなことがあったサインです。

赤ちゃんは言葉が話せないので、そういった変化から、察して手当てしてあげられると嬉しいですね。

でも、具体的にどうすればいいのか。

これまでの私はとにかく言葉がけ。

「大丈夫よ〜。○○でビックリしたのね。(怖かったのね)」

など思い当たることを話してなだめていました。

これで大丈夫かな?と気休め感もありましたが、この本で、更に、感情の急所をお手当する方法を学びました。

まず、心臓や胃腸は心の動きと連動しやすいので、ショックを受けた時に変動が出ることがあります。

また、左上腹部の「感情の急所」が胃袋の近辺にあり、ショックを受けると硬くなっています。

そこを手当て(文字通り手を当てて温めてあげる)して緩めてあげると、気分的にも楽になってきます。

胸椎四番(首を前に倒したときに一番飛び出る背骨:頸椎七番から下に数えて4つ目の骨)も心臓と関連するので、合わせて手当てします。

毎日が新しいものばかりの赤ちゃん。

何かにビックリしたり、怖い経験をすることもありますが、普段の言葉がけやスキンシップに加え、こういったちょっとした手当を覚えておいて、サッと気持ちを緩めてあげられるといいですね。

3.「のぼりたい」欲求・「飛び降りたい」欲求に見る身体の声

子育てをしていて、息子がよく高いところに上りたがって、危ない!と思う時期がありました。

逆に、高いところから飛び降りることに命をかけている時期があり、これまたけがをしたり、足を痛めたり、親としては心配したり、しょうがないと諦めてみたり、そんな毎日。

けれども、高いところにのぼりたいという欲求、立ちたいという欲求があるとき、からだの中には、人間の知的欲求が駆け巡っています。

「のぼる」ということを十分全うさせてあげると、子どもの空想力が身体に満ち渡ります。

頭が発達しようとするとき、子どもは高さへの要求を表します。

逆に、飛び降りるという行動には、「決断力」を養う過程があります。

「高いところから飛び降りる」という小さなチャレンジを繰り返すことで、思いを実行に移せる足腰の力と、その時に訪れる現実の衝撃を受け止める股関節のしなやかさを自ら育てています。

上ること、飛び降りること、どちらも「危ないから」とすぐにやめさせるのではなく、周りの環境を整え、その挑戦を見守る姿勢を大切にしていきたいですね。

まとめ

この本の著者:山上亮さんは「野口整体」と「シュタイナー教育」の2つを柱として整体を活かした子育てを提案しています。

からだで起こっていること全てに意味があると捉え、からだの変動は、そのとき子どもが「抱え込んでいること」の表出だと考えます。

たとえば、熱を出した子どもをすぐに「病気」とするのではなく、いまからだの中で起こっていることの意味を考えること、そして、熱を出し切らせるように働きかけることが大事と考えます。

その熱の変動をきっかけに様々なからだの調整が行われることをサポートします。

このような「からだ育て」の整体法がそのまま「子育て」の智慧にもつながっています。

普段から子どもの様子をしっかりと観察し、身体とも心ともしっかりと向き合いながら子育て・身体育てをしていきたいと感じました。

そして、たまにはこの本を読み返して、その子育ての知恵を心に留めておきたいと思います。

「幸せになる脳はだっこで育つ。」by山口創から学ぶ3つのこと

赤ちゃんを産むと一度は言われたことがある人が多いのではないでしょうか。

「抱きぐせがつくから、あまり抱きすぎない方がいいわよ。」
「泣くのも赤ちゃんの運動だからね。」

おじいちゃん、おばあちゃん世代に多い「抱きぐせ」への懸念

それでも、

「赤ちゃんが泣いてるのにどうして抱いちゃいけないの?」
「赤ちゃんが抱っこしたら泣き止むのわかってるのに、どうして放っておくの?」

と弟や従弟妹達が赤ちゃんだった頃に幼心に思っていた疑問から、私は長男を出産したときから「抱く育児」を実践してきました。

もちろん、親世代にはいろいろ言われたり、ママ友にも

「そんなに抱いてて大変じゃない?」
「ベビーカー使わないの?」

と言われつつ、なんとなく貫いてきた抱っこ育児。

でも、その育児も間違いではなかったと裏付けてくれる本に出会いました✨

親であれば誰でも願うであろうわが子の幸せ。

その“幸せの根っこ”をスキンシップで作っていけるとしたら、ぜひやってみたいと思いませんか?

「幸せになる脳は抱っこで育つ。」山口創著・廣済堂出版(¥1,300+税)

この本を読んで、抱っこの素晴らしさを感じた点を3つ挙げてみようと思います。

1.小さい頃のスキンシップは一生もの。その子の脳に生涯影響を与えていく。

小さい頃にスキンシップをたくさんして満たされていると、情緒が安定し、人のことも信頼でき、安定した人間関係を築くことができるようになります。

ハーバード大学の研究でもベビーマッサージなどにより母親と安定した愛着関係を築けた子どもは、将来、年収や仕事の効率性が高く、高齢になってからは認知症になりにくいという結果が出ています。

ロンドン大学の研究では、母乳育児の子(母子間での肌の触れ合いが多い)は将来出世しやすく成功をおさめやすいという結果も出ました。

逆に、アメリカの心理学者による多くの非行少年達への調査から、身体のふれあいの不足は、抑うつや自閉的な行動、多動、暴力、攻撃、性的逸脱などの原因になることも示されています。

赤ちゃんは、全身を通してこの世界を感覚で捉えています。

その世界を認識する時に、どのように捉えていくかは、頭では覚えていなくても、脳や心のどこかに刻まれ、生涯影響を与えていくのです。

子どもの一生に関わるこの時期のスキンシップ。

子どもの将来のためにも、そして、私自身が癒されるためにも、これまで以上に愛情を込めてたくさんスキンシップしていこうと思いました。

2.男の子はオキシトシンが出にくい!⇒スキンシップがたくさん必要で甘えん坊(^^)

どこに行っても

「男の子だからお母さん大好きよね。」
「いくつになっても甘えん坊で・・・」

という声を聞きますが、甘えん坊の男の子はむしろ安心!

心配する必要はなさそうです。

というのも、一般に幸せホルモンと言われるオキシトシンの出方には男女差があり、将来出産・育児に深く関わる女の子の方が出やすくなっているのです。

また、女性ホルモンのエストロゲンもオキシトシンの効果を倍増してくれる効果があります。

逆に、男性ホルモンのテストステロンはオキシトシンの効果を抑制してしまうので、もともとオキシトシンが出にくく、分泌量も少ないのが男の子。

男の子は、もともと出にくく、少ないオキシトシンをなんとか分泌させるべく、ママにベッタリ。

本能的にオキシトシンで心地よくなること、そして、それを分泌させる方法を知っているのですね。

だとしたら「今忙しいから」とむげに突き放すことなく、ほんの少しでも抱きしめたり、触れてあげたりして、安心感を与えてあげられるといいですね。

3.タッチによって、いじめがなくなる!

幼い頃にタッチ(スキンシップ)をしっかりすると、自尊心も高まり、自分のことも相手のことも大切にできるようになります。

逆に、タッチが少ないと、その穴埋めに身体のあちこちにに穴をあけたり、ついカッとなったり、摂食障害になったり、

情緒が安定せずに自分のことも相手のことも傷つけることが多くなる傾向にあります。

スウェーデン・イギリスではタッチングを取り入れると実際にいじめが減ったそうです。

「人に優しく触れた手は、人をたたくことはない」とも言われています。

アメリカでも、学校教育の中に、生徒同士がお互いにマッサージを行うキッズタッチングが取り入れられつつあります。

子どもが自信がなさそうに見えるとき、誰かのことを攻撃しているようなときこそ、たくさんスキンシップをして、身体から癒しの手を差し伸べ、心まで満たしてあげたいですね。

まとめ

脳のない生物は存在するけれども、皮膚(境界線)のない生物は存在しません。

皮膚と脳は受精卵の「外胚葉」という部位から形成され、「外胚葉」が内側に潜り込んでできたものが「脳」。

「外胚葉」が外側に広がってできたものが「皮膚」で、皮膚はまさに「露出した脳」そのものです。

人は触れ合うことで、多くの場合、やすらぎや心地よさを覚えます。

さらに、相手への信頼感や愛情も深めることができるのです。

脳の様々な部位が最も発達するのが3歳くらいまでと言われているので、それまでにたくさんの刺激をしてあげるのが重要です。

もちろん、気づいた時からスタートすれば、決して遅すぎることはないそうなので、私もこれまで以上に子ども達とスキンシップをとっていきたいと思います。

スキンシップにはお金も特別な技術もいりません。

そんなスキンシップで、生涯に渡る“幸せの根っこ”を作ってあげられると嬉しいですね。

そして、赤ちゃんを抱いた時のふんわりとした心地よさ。

今しかないこの幸せをたっぷりと噛み締めてほしいと思います(^^)